Historyダイセルの
セルロース
100年の歴史と
進化し続ける
技術

私たちは創業から
100年以上にわたり、
セルロースの研究・開発を進め、
セルロースが持つ特長を
活かしながら、
化学修飾して機能化したり、
他の素材と組み合わせたりして、
新しい価値を生み出し続け、
世の中に提供しています。

ダイセルのセルロース100年の歴史

1919

1919年:イメージイラスト・人形

大日本セルロイド株式会社(のちのダイセル)の誕生

当時世界中に需要があった、硝酸セルロースと樟脳を主原料とした世界初の人工プラスチック「セルロイド」。その製造競争が激化する中、原料であるクスノキの木の乱獲を防ぎ、セルロイド業界の過当競争を解消し加工業界の育成を促進するために、日本国内8社のメーカーが合併しました。

1929

1929年:イメージイラスト・メガネ

セルロイドは非常に優れたプラスチックでしたが燃えやすいという欠点がありました。その欠点を克服するため、不燃化を目指して酢酸セルロースを原料とするアセテートプラスチック「アセチロイド」が開発されました。

1953

1953年:イメージイラスト・写真フィルム

写真フィルム用の酢酸セルロース(TAC: トリアセチルセルロース)は、その燃えにくさと安全性により、安心して使用できる写真フィルムの普及に大きく貢献しました。

1958

1958年:イメージイラスト・たばこ

喫煙者の健康を守るため、たばこの煙から有害物質を除去する試みが進んでいました。酢酸セルロース製のフィルターは、たばこの香りや味を損なわず、適度にニコチンやタールを吸着する特徴を持っており、1951年にアメリカで初めて実用化されました。その後1958年には日本での国産化も成功し、量産がスタートしました。

1982

1982年:イメージイラスト・分子

人工的に合成された化学物質による副作用を抑える光学異性体分離機能を持つキラルカラムが登場。セルロースの分子を見分ける性質によって薬として有効な成分の分離などに用いられます。医薬品等の研究開発、製造、品質保証において不可欠なものとして、世界中で広く活用されています。

1988

1988年:イメージイラスト・自動車用エアバック

自動車用エアバッグシステムの重要部品となるインフレータの量産を開始。硝酸セルロースを用いた安全かつ安定して必要な時に瞬時に働くガス発生装置の研究開発は1970年代から始まり、その技術はシートベルトプリテンショナー用ガス発生器(PGG)へと応用されます。

1990

1990年:イメージイラスト・液晶ディスプレイ

液晶光学フィルム用酢酸セルロース(TAC)の製造を開始。
もともと写真用フィルムの基材として開発されたTACですが、不燃性,透明性,表面外観,電気絶縁性などに優れることから、デジタル化時代のニーズに応じた液晶ディスプレイの構成部材へと活用の場が広がりました。

1994

1994年:イメージイラスト・水処理用分離膜モジュール

気候変動にともない問題が深刻化する貴重な資源である水。その水に幅広い分野で使われる「水処理用分離膜モジュール」が誕生。親水性に優れた膜素材として、ここにも酢酸セルロースが使われています。

2019

2019年:イメージイラスト・アクトランザ

針を用いずに高速ジェット流で瞬時に皮膚を穿孔して細胞内へ物質を導入する動物実験用新規投与デバイス「アクトランザ®ラボ」。遺伝子治療薬など革新的な医薬品の実現につながるドラッグデリバリーシステムには、硝酸セルロースから始まるガス発生器の技術である独自のエネルギーシステム DAISI®が使われています。

2021

2021年:イメージイラスト・プラスチック

酢酸セルロースの海洋生分解性を飛躍的に向上させた酢酸セルロース樹脂「CAFBLO®」。木材や綿花などの非可食植物から得られるセルロースがベースの自然に還る素材のプラスチックは、世界規模の問題である海洋プラスチックごみ問題の有効な解決策として期待を集めています。

Biomass Value Chain共創により、
新たな
価値創出を
目指して

私たちは、セルロースを扱う技術を軸に、持続可能な循環型の産業構造をつくる「バイオマスバリューチェーン構想」を提唱しています。日本の国土の7割を占める森林を原料とし、化学産業だけでなく、幅広く一次産業・二次産業も連関し、地域経済を活性化させるこの構想の実現には、多くの共感と技術共有による共創を必要としています。

持続可能な
循環型の産業生態系
バイオマス
バリューチェーン構想